ブルガリアサーカス一家のその後が放映されます。
ブルガリアサーカス一家のその後が放映されます!
今年夏、MBSさんの「VOICE」(関西のみ)にも取り上げていただき、話題となったサーカス一家、ブロスコフファミリーのその後が放送されます。
日時:12月28日(木)
第一部 16:30~17:25
第二部 17:51~18:30
(上記の時間内の何れかに放映されます)
代表のオリバーとアークスタッフは、今年10月にスロベニアで開催された動物福祉に関する国際会議に出席した際、実際に一家の様子と現地の視察のため、ブルガリアを訪れました。ブロスコフファミリーは、皆様のあたたかいご支援のお陰で、無事家族全員でブルガリアへ帰国し、現在ではすっかり落ち着いた生活を取り戻している様子でした。一家は、私共の訪問をあたたかく受け入れ、また、今回ご支援いただいた日本の皆様へ心より感謝を伝えて下さいと言われていました。
これからも、ブロスコフファミリーが仲良く幸せに暮して行くことを願っております。
ブロスコフファミリーをおそった災難と、ブルガリアの現状につきましては、以下をご覧下さい。(アークニュースレターNo64より)
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ブルガリア訪問の報告
-EU加盟目前のブルガリア、動物福祉水準の向上は今後の課題に
昨年末、ブルガリアのサーカス一家が(大阪府)河内長野市の山中に取り残されました。サーカス会社のオーナーが雲隠れしてしまい、興行主は、給料の支払いも、犬猫をブルガリアに送還する費用を出すことも拒否したのです。すでにお伝えした通り、MBS(毎日放送)さんが、一家の苦境をニュース番組“VOICE”で取り上げてくれたお蔭で、私どもは彼らを支援する資金を集めることができました。
一家は猫38匹、犬6匹とともに無事ブルガリアに帰国できたものの、日本を出るのが遅れたため、2006年度の仕事を見つけるチャンスを逃してしまいました。家族が収入の損失を補い、永続的な家を確保できるように、私どもは、関西地区の皆様から寄せられた浄財の半分を彼らに渡しました。10月、スロベニアでの国際会議出席の後、アークのエリザベス・オリバーと平田明日香は、新しい家に移った一家を訪ねることができました。彼らは、ソフィアの町から20キロほど離れた典型的なブルガリア風の農村に古い家を買い求め、少しずつリフォームしています。村民の大部分は、わずかばかりの土地で、ヤギ、ニワトリ、ブタ、ウマなどを飼い、野菜や果物、家畜用飼料などを作って暮らしています。
ブロスコフ家の状況は改善したとはいえ、ブルガリアの実情はかなり厳しいものがあります。15年前に共産主義が崩壊した後、国の社会構造がくずれてしまいました。ソフィア市民は、誰ひとり、公園をきれいに保とうという意識もなければ、通りに収集されないゴミの山があっても気にする人もいません。田舎には、農家の空家や、耕作せずに荒れた畑が目立ちます。空港におり立った瞬間から、至る所に野良犬の姿が目につきます。ソフィアだけでも、野良犬の数は7万頭にのぼると推定されます。彼らは、概して、おとなしく、栄養も足りています——人々がくれる餌にありつこうと、近隣をうろついているのです。団地の横に簡単な犬小屋を造っている人もいます。
FWSD(野良犬の福祉を守る会連盟)は、1997年、ブルガリア在住の英国人によって設立されました。会は、野良犬の頭数抑制を目指し、(地域の犬を捕えて、不妊手術後、元の場所に戻す)「TNR方式」を推進しています。その他、最近、結成された団体も幾つかあり、中でも、特に目立つのは
AFA(動物友の会)で、(面倒を見る人がいる)地域の犬猫に不妊手術、ワクチン接種、駆虫などを実施するために各地を飛びまわる「特別機動隊」を備えています。各動物には、パスポートのような「健康証明書」が支給されます。
2007年のEU加盟を目前に控えた今、ブルガリア共和国の議会は、ようやく、初の動物保護法案の採択を検討しており、国の内外を問わず、多くの動物保護団体がこの法案成立を目指して議員に働きかけています。
これまで、ブルガリアの野良犬に不妊手術を施すために大変な苦労と費用をかけても、多くの場合、行政当局が計画する大掛かりな「野犬狩り」によって無駄にされてきました。私どもは、日本で集めた寄付金をブルガリアの動物のためにどう使えば良いか、最も有効で安全な方法を知りたいと思っています。しかし、今回の訪問で、多くの経験者と話し、国の実情をじかに見聞した今、ブルガリアのEU加盟を待ってから、動物保護団体の活動ぶりと、本当に必要なものは何かを見きわめた上で結論を出しても遅くないと判断しています。
日本で活躍していた頃の、ブロスコフファミリー
犬や猫を使った見事な芸の数々を披露していました