アークニュース

緊急告発!近江八幡市元ブリーダー虐待事件に対して

2005年08月28日

緊急告発

アークが近江八幡署に告発してから、何の動きもないまま半年以上経過していましたが、2004年11月30日に毎日放送が、夕方の「VOICE」という番組の中で、この事例を放送したのを機に、番組を見られた多くの方が、近江八幡署に電話をしてくださいました。そのお陰でようやく警察が動き出し、12月24日に、近江八幡署の警察がアークを訪れ、オリバーさんを事情聴取し、調書を作成して帰りました。しかし、残念ながら警察は、「現行法では虐待の定義が曖昧なため、この件が虐待であるとは言い切れない。はっきりとした証拠がないと起訴が難しい。」という認識のようでした。
現在、書類送検はされていますが、不起訴にしないためにアークでは署名を集めております。署名用紙(PDF)をダウンロード/プリントアウトして頂き、ご署名をお願いいたします。また、周りに今回の件でご賛同下さる方がいらっしゃいましたら、その方の署名も集めて頂けると、非常に大きな力となります。
ご署名いただいた用紙は、大津地方検察庁まで直接御送付下さい。
尚、期日は平成17年3月末日となります。よろしくお願い申し上げます。

[送付先]
〒520-0044
滋賀県大津市京町三丁目1番1号
大津地方検察庁御中
TEL 077-527-5120 077-527-5120

署名用紙をダウンロードする

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皆様のご協力、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

ARK NEWSLETTER 54より

ある繁殖業者の隣家に住む女性からアークに電話がありました―以前、隣の庭にバーニーズ・マウンテドッグの死体を目撃したが、その後、人目につかない裏庭に移されてしまったとのこと。ブリーダーの家は住宅街にあり、庭全体が道路からまる見えだからです。女性は保健所と警察にも通報しましたが、取り合ってもらえなかったとか。

死体だらけの地獄からそっと覗くヴァレンティーナ

数日後、私どもは滋賀県の近江八幡市まで車を走らせました。女性の家の2階に招かれ、隣家を見下ろせる位置から偵察したところ、塀ぎわにバーニーズ・マウンテンドッグの腐敗した死体があり、ハエの大群がたかっていました。庭にはプレハブ小屋があり、哀れなゴールデン・レトリーバーの姿がぼんやりと見えます。建物内のケージというケージには犬の死体が……様々な段階の腐敗を呈していました。

ゴールデン・レトリーバーはやせ衰えて、まさに骨と皮だけ。(アークに着いたときの彼女の体重はたった13キロで、これは正常値の約半分です。)さらに、庭中に小さいケージが点在し、見るもおぞましい死体が入っています。かと思えば、数頭は、まさに骸骨のような姿で地面に横たわっているという有様。ゴールデン・レトリーバーの他に、バーニーズ・マウンテンドッグも家の前につながれており、裏手には、もう1頭が、まさに飢え死に寸前の状態で、落ちくぼんだ目のまわりの筋肉も萎縮して、しわだらけ。この3頭は、すぐに救出しない限り、1週間以内に間違いなく死んでしまうと思われました。

しかし、日本では、私有財産を持ち主の同意なしに押収する権利は誰にもないため、警察などの権限で飼い主に犬を手放すよう圧力をかける必要があります。最初に駆けつけたのは近くの交番の巡査です。「大物のお出まし」は、新聞社やテレビ局の取材も始まった後のことでした―すなわち、捜査課の刑事がおもむろに到着し、さらに、管理センター職員も遅ればせながら顔を見せたという次第。(管理センターは野良犬/猫などを扱ったり、ブリーディング施設の登録、及び、検査について責任を負う地方行政当局です。)

それまで家の奥に引きこもっていた女主人がやっと顔を出しました。家の中には、4匹のダックスフントと4人の幼い子供がいます。このブリーダーは、前年管理センターの検査を受けて登録を認可されていました。その後、管理センターは、近隣住民からの騒音と悪臭の苦情を受けて9月に立入り検査した結果、いくつかの問題点に気づきながら、それ以後は、(アークが訪れた)本年2月19日に至るまで、事態を放置したまま、何のチェックも実施していません。

私どもはすべての犬を救出したいと思ったものの、女主人は3頭の大型犬だけしか手放そうとしません。4匹のダックスフントを引き取ろうと、警察にも説得を頼みましたが、結局、力及びませんでした。明らかに去勢不妊手術をしていないダックスフント純血種(オス1、メス3匹)をここに残しておけば、また同じ悲劇の繰り返しになるとわかっていても、私どもの力ではどうしようもありません。現在のところ、日本の法律では、虐待を受ける恐れがある、または、現に虐待されている動物がいても、それを押収する権利は誰にもありません。これは動物愛護管理法の見直しにあたって提起すべき重要な問題点です。

警察も管理センターも繁殖業者を起訴すると言っておきながら、1週間後には双方とも法的措置を見送ると連絡してきました。「法律上、“虐待”の定義があいまいで、我々が判断できる明確なガイドラインが示されていない」というのが警察の言い分で、一方、管理センターは、「私たちは今回のケースを虐待事件とみなしていません」とのこと。飢えや脱水症で死んだ12頭の腐乱死体を片付けなければならなかった彼ら自身がそう言うのです。

追記:アークは行政(警察・動物管理センター)をも告発しようと試みましたが、当局からの威圧的指示にあい、何もしないより、飼い主だけでもという観点から飼い主告発だけに至りました。
検察庁に提出した告発状は受理され、検察庁より所轄警察へと送検され、2004/4/20現在取調中

 

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